taC X 高硬度 DLCコーティング

超高硬度 低摩擦 水素フリー DLCコーティング

電磁式アークカソードを利用したダイヤモンド構造を多く含む、超高硬度な水素フリー(水素を含まない)DLCコーティングです。アークイオンプレーティング方式により高い密着性を有し、独自開発のドロップレット(マイクロメートルレベルの突起物)を低減する機構を備えることで、基材の表面と同等で平滑な表面が得られます。切削工具や金型の寿命を著しく向上させ、特にアルミニウムや銅、ハンダなどの非鉄金属の加工の際に凝着や摩耗を防止し、優れた効果を発揮します。大型装置に取り付けることで大量のセッティング及びリーズナブルな価格設定が可能です。


マイクロドリル(φ90μm)に高硬度 DLC でドロップレット低減

特殊カソード採用でドロップレットを低減します。
直径90ミクロンのマイクロドリルのSEM観察ではドロップレットがほぼないことが確認できます。マイクロドリルにおいて高密着でドロップレットの少ないコーティングが完成しました。

通常カソード taC

通常AIPマイクロドリル
通常AIPSEM表面
AIPマイクロパーティクル模式図

特殊カソード taC X 高硬度 DLC

taC高硬度DLCコーティングSEM観察上部
taCコーティング 電子顕微鏡 上部横側
ac-x3
放電の様子

500mmの長尺大型品の処理対応します

500mmの長尺大型製品


仕様

  • (ta-CXコーティング)
  • 硬度: 5000〜6000HV
  • 膜厚: 1.0μm以下
  • 摩擦係数:
    0.1〜0.15(対SUJ2、ドライ)
  • 耐熱温度: 500℃(大気中)
  • 表面粗さ: Ra0.02μm
  • 処理温度: 150℃以下
  • 有効エリア:
    φ600mmx500mm
  • (DLC-GTコーティング)  NEW!
  • 硬度: 7000HV
  • 膜厚: 0.7μm
  • 摩擦係数:
    0.09~0.13
  • 耐熱温度: 550℃
  • 表面粗さ: 0.004μm
  • 処理温度: 150℃
  • 有効エリア:
    φ130mmx100mmx6テーブル

特徴

◉高い表面平滑性
アークイオンプレーティング法の弱点であるドロップレットを低減する機構を備えることで、基材の表面粗さを損なうことなく平滑性の高い表面が得られます。
◉多様な材質に対応
基材との界面に密着層を設けることで、超硬合金からアルミニウムなどの軟質金属に至るまで、密着性に優れた被膜を形成することができます。
◉低温処理
150℃以下の低温で処理を行う為、基材の硬度低下や熱変寸を最小限に抑えます。
◉大型製品に対応
蒸発源を複数設置しており、最大で500mmの長さまで処理することが可能です。

taC X ナノインデンテーシヨン法による硬さ

taC X コーティング硬さ測定

ナノインデンション測定
ta-C X コーティング硬さ測定
HV約5000

当初はマイクロビッカーズ硬度計などの従来手法による装置の高精度化が図られた。

しかし、ビッカーズ硬度で1000を超えながらも膜厚が1um以下の硬質薄膜に対しては、微小な圧痕形状から高精度に硬さを求めることに自ずと限界があった。

そこで開発されたのがDSI(Depth sensing lndentation)法によるナノインデンテーシヨン法である。
なお、DSI法による硬さ測定法は、2002年にこ国際標準規格(ISO14577)に制定されている。


taC X ロックウェル圧痕形状による密着性観察

DLCロックウェル圧痕画像荷重:Aスケール60kgf

ロックウェル圧痕画像
荷重:Aスケール60kgf

DLCロックウェル圧痕画像荷重:Cスケール150kgf

ロックウェル圧痕画像
荷重:Cスケール150kgf


アルミ板に対する穴開け加工状態の比較

taC X コートドリル切削時画像

taC X コーティング

taC X コートドリル切削時画像

コーティング無し


適用例1: アルミ加工用インサートにおけるtaC Xコーティングの有効性

無潤滑加工テストにおいて、15分経過後ではすくい面にアルミの凝着は見られなかった。150分経過後では微小にアルミの凝着が確認されたが、未処理品と比較してアルミの凝着が明らかに少なく、アルミ加工におけるtaC Xコーティングの有効性が確認された。

コーティング仕様
製法:
PVD−アークイオンプレーティング法
膜厚: 0.3μm前後
硬さ: 5,000〜6,000HV
色調: 干渉色
品名
インサート
材質
超硬
被加工材
A5052
寸法・加工方法
Cutting speed (m/min): V=300
Feed rate (mm/teeth): f=0.1
Depth(mm): d x w= 3 x 5
Coolant: dry
taC X 切削加工試験条件と結果

適用例2: チップソーにおけるtaC X コーティングの有効性

コーティング無しが2回の切断で切粉詰まりが発生したのに対し、taC X コーティングを行ったものは、 切粉の付着もなく、10回の加工が可能であった。 装置稼動の都合で評価は中断したが、未処理品と比較して5倍以上の寿命を得ることが分かった。

コーティング仕様
製法:
PVD アークイオンプレーティング法
膜厚: 0.3μm前後
硬さ: 5,000〜6,000HV
色調: 干渉色
品名
チップソー
材質
超硬ロー付け
寸法
φ180 x 2
被加工材
A5052P-H112
切断方法
10mm厚のアルミ板を2枚重ねにして切断
コーティング チップ 最終切断数 切断終了要因 平均切断所要時間(sec) 切粉詰まり 切粉付着 切断官能
超硬 2 切粉詰まり 77.5 6 少し有り 重い
超硬 10 中断 47.3 0 全く無し 少し重い

コーティング無: アルミ凝着 有
未処理 切断試験結果
コーティング有: アルミ凝着 無taC X 切断試験結果


Al,Cu等切削工具及び成形金型、半導体関連金型、プラスチック成形金型、圧粉成形金型、医療用器具・部品、各種工具、摺動部品

taC Xコーティング超硬ドリル

超硬ドリル

taC X コーティング パンチ(四角)

パンチ(四角)

taC X 超硬大径ドリル

超硬大径ドリル

taC X コート超硬チップ

超硬チップ

taC X DLCコーティング超硬パンチ

超硬パンチ

taC X DLC マイクロドリル1

マイクロドリル1

taC X DLC マイクロドリル2

マイクロドリル2

taC X DLC マイクロドリル3

マイクロドリル3

taC X DLC 時計フレーム1

時計フレーム1

taC X DLC 時計フレーム2

時計フレーム2

taC X DLC 時計フレーム3

時計フレーム3

taC X DLC 時計バンド1

時計バンド1

taC X DLC 時計バンド2

時計バンド2

taC X DLC 超硬ドリル2

超硬ドリル2

taC X DLC 超硬ドリル3

超硬ドリル3

taC X DLC 超硬ドリル4

超硬ドリル4

taC X DLC レンズ金型

レンズ金型

taC X DLC プレート

プレート

taC X DLC パイプ

SUSパイプ

taC X DLC リング

リング